肌や喉の乾燥を感じやすい秋の終わりから冬にかけて、加湿器が重要な役割を果たします。
では、加湿器を使用し始める適切な時期は一体いつなのでしょう?
また、春になったらいつ加湿器を片付けるのが良いのでしょうか?
加湿器の使用開始のタイミング
多くの人が、気温が下がり始め、空気の乾燥が目立ち始める10月下旬から11月上旬頃に加湿器を使い始めます。
これは、暖房を使い始める時期とも一致しています。
例えば、東京では2019年の10月と11月の平均気温がそれぞれ19.4℃、13.1℃でした。
この時期になると、空気の乾燥が進み、加湿器への需要が高まります。
なぜ湿度が下がるのか
湿度の低下は温度の変動と深く関連しています。
高温のときは空気中の水蒸気量が増加し、低温のときは減少します。
このため、秋から冬にかけて気温が下がると、空気の乾燥が進みやすくなります。
この原理には飽和水蒸気量というものが関わっています。
飽和水蒸気量とは
飽和水蒸気量は、空気中に含まれる水蒸気の最大可能量を指します。
例えば、30℃の空気中では最大で30.3g/m³、20℃では17.2g/m³、10℃では9.39g/m³の水蒸気を含むことができます。
気温が下がると飽和水蒸気量も減少し、特に加湿をしない場合、室内の乾燥が進むことになります。
相対湿度とは何か
相対湿度は、空気中に含むことができる水分の最大量(飽和水蒸気量)に対する現在の水分含有率です。
例えば、室温が10℃の空気が50%の湿度を持っていても、20℃になると湿度は27%(乾燥状態)に低下することがあります。
気温の低下と共に湿度も下がるため、秋の末から冬にかけて加湿器の使用が推奨されるのです。
加湿器は春のいつまで使う?
加湿器を使うのはいつまでが適切なのでしょうか。
この疑問に答えるためには、暖房を使う期間を考えるのが一つの手がかりになります。
2020年の東京の2月から5月までの気温を見てみましょう。
東京では、2月は平均8.3℃、3月は10.7℃、4月は12.8℃、5月は19.5℃となっています。
このデータによると、4月でもまだ20℃に届いていないため、暖房を使う日が続きがちです。
そのため、加湿器も4月までは活躍することが考えられます。
加湿器の使い方と湿度管理
快適な室内環境を保つためには、湿度を40%から60%の範囲に保つのが理想的です。
湿度は気温と違って、感覚だけで判断するのは難しいですよね。
だから、湿度計を使って管理することをおすすめします。
加湿が足りないとインフルエンザウイルスが活発になる一方、加湿しすぎると結露やカビの原因にもなります。
加湿器を使う際は、湿度40%を目安にすると良いでしょう。
また、部屋の中の湿度のバランスを定期的にチェックすることも大切です。
まとめ
今回は東京の気温を例にしましたが、地域によって気温は異なりますし、人によって寒さを感じる感覚も違います。
部屋の構造や広さも湿度に影響を与えます。
加湿器の性能や設置場所によっても、使い方は変わってきますので、身体に負担をかけないように加湿器の使用時期を考えることが大切です。