病院のお見舞いに訪れる際、どのような花を選んでいますか？
入院生活には、訪問者の温かな気遣いが何よりの励みとなります。
しかしながら、お持ちする花には慎重に選ばなければならない場合も。
一見素敵に見える花束でも、お見舞いにふさわしくない「タブー」とされるものが存在します。
今回は、お見舞い時に持参したい花と避けたい花について解説します。
お見舞いの花でタブーなのは？
お見舞いに持っていく花には、タブーとされるものが存在します。
では、何の花を避けるべきなのでしょうか？
濃厚な香りのある花々
さまざまな種類の花が持つ香りは、誰もが楽しむ要素のひとつです。
しかしながら、全ての病室がプライベート室であるわけではありません。
病院内には、医療スタッフや他の患者さんはもちろん、多くの訪問者がいるため、香りに敏感な人もいる可能性があります。
そのため、病院でのお見舞いには、香りが強いと感じられる種類の花は避けるのが賢明です。
香りが強いとされる花には以下のようなものがあります
- ユリ
- スイセン
- フリージア
- ストック
縁起が悪いとされる花々
病院に入院中の方々にとって、縁起が悪い花は贈りたくないものです。
たとえばシクラメンは、その名前が「死」と「苦」を連想させることから、避けられがちです。
さらに、椿やチューリップなどは、その花が地面に落ちる様子が不吉とされ、好ましくないと考えられがちです。
そしてアジサイの場合には、枯れて色が褪せるさまが、菊は葬儀で使われることが多いため、同じく縁起が悪いとされています。
美しいからといって安易に選ぶことができないのは、まさにこのような理由からです。
患者さんが健康を取り戻す、非常に繊細な時期には、贈るお見舞いの花選びも非常に重要です。
お見舞いに不向きな花の色
お見舞いに花を持参する際、特に注意が必要なのは、花の色選びです。
通常、白や青、紫などの色は、哀悼の意を示す場合によく用いられるため、お見舞いのシーンでは適さないとされています。
これらの色が少量であっても気を付けた方が良く、多用するとつい寂しげな印象を与えがちです。
そのため、明るく活気づける黄色やオレンジといった暖色系の花を選ぶことをお勧めします。
お見舞いに適した花の贈り方
お見舞いの際に携える花は、鉢植え、花束、プリザーブドフラワーの形態について、どの選択肢が最適なのかをご案内いたします。
お見舞いでの鉢植えのタブーについて
お見舞いの品として鉢植えを選ぶのは適切ではありません。
鉢植えは、「根付く」が「寝付く」と聞こえることから、病気の長期化を連想させることがあり、縁起のよいものとは見なされない傾向があります。
そのため、お見舞いの際には鉢植えの贈り物は控えるのが望ましいとされています。
病院への花束の差し入れは適切か？
一見すると華やかな花束ですが、受け取る人には花を活けるための花瓶の用意が求められます。
さらに、病床にある家族が水替えなどの手間をかけることになります。
このため、一概に花束が喜ばれるわけではありません。
手間が掛からず、患者様の負担にならない心遣いが求められるでしょう。
お見舞いにプリザーブドフラワーを選ぶべきか？
プリザーブドフラワーとは、本物の花のような見た目を維持しつつ、長期間にわたりその美しさを保つことができる加工花です。
様々な種類や色のものがあり、ギフトとしても高い人気を誇っています。
お見舞いに持参する場合、プリザーブドフラワーは水やりの必要がなく、お手入れが楽なため選ばれることが多いです。
ただし、病室内で飾るにあたっては、場所をあまりとらないサイズのものを選ぶのが良いでしょう。
保存状況によっては、欧州では5年から10年持続する場合もあると言われています。
日本の気候は欧州とは異なりますが、高温多湿や直射日光を避けて保管すれば、プリザーブドフラワーもこちらで長く楽しむことができるはずです。
あとがき
お見舞い用の花選びは、必ずしも自由なわけではありません。
特に、回復の一途を辿るか微妙な時期には、一つ一つの選択に慎重さが求められます。
確かに、お相手の嗜好を尊重することは大切ですが、不吉な印象を与えかねない花種は避けたほうが賢明です。
さらに、お見舞いの際には相手が相部屋にいるのか、はたまた個室にいるのかをあらかじめ調べておくべきです。
周囲の患者さんやそのご家族に配慮することも、お見舞いマナーの一環と言えるでしょう。
