夏の風物詩として、友人やビジネス関係者への暑中見舞いがありますね。
いつもはメールで済ませがちな人とのコミュニケーションも、季節感あふれる暑中見舞いで気持ちを表すのも一興です。
しかし、いつ頃送ればよいのか、タイミングが難しいと感じることはありませんか?
過ぎたり早過ぎたりすると印象が良くないため、暑中見舞いを出す適切な時期について、そして礼儀正しい書き方についても見てみましょう。
いつからいつまでが暑中見舞いの適切な時期?
夏本番の厳しい暑さの中、親しい方々の健康や安全を気遣い、暑中見舞いの葉書を送る風習があります。
この暑中見舞いが送られる期間は一体いつから始まり、いつまでなのでしょうか?
文字通り「暑中」、つまりは夏の盛りを想定しています。
そもそも「暑中」とは
この「暑中」とは、季節の移り変わりを示す二十四節気のうち、「小暑」から「立秋」の前日にかけての期間を指します。
特に、「大暑」と「立秋」の間にある18日間は、日本における一年間で最も暑い時期とされています。
細かく見る「暑中」の期間
- 小暑 ⇔ (間) ⇔ 大暑 ⇔ (間) ⇔ 立秋
- 大暑は陽暦で7月24日ごろ、一番暑さがピークになる時期です。
- 立秋は陽暦で8月8日ごろ、暦の上では秋の始まりを告げる日です。
従って、真夏の気遣いを込めた暑中見舞いは、通例「小暑」を過ぎてから「立秋」の前日までに送るのが一般的です。
しかし、時には梅雨が明けず、予想される暑さがやってこない場合もあります。
そんな時、一体いつから暑中見舞いを出すべきなのでしょうか?
梅雨明け前の暑中見舞い、送っても大丈夫?
暑中見舞いは、夏本番の暑さを前にして、お互いの健康を気遣うための挨拶として送られます。
一般に、梅雨が明けてから送るのが一般的です。
ですから、相手の住んでいる地域が梅雨明けを迎え、気温が上昇してから送ることをお勧めします。
暑中見舞いの送り始め
小暑を過ぎ、さらに相手の居住地が梅雨明けを迎え、本格的な暑さが到来した頃から送り始めるのが望ましいです。
暑中見舞いの送り終わり
送る時期の終点となるのは「立秋」の前日までです。
もしも、暑中見舞いを送る計画を立てていたにもかかわらず、「立秋」を過ぎてしまったらどのように対処すればいいのでしょうか。
立秋後の対応は?
立秋を過ぎたら、次は残暑見舞いの時期です。
残暑見舞いは、立秋を過ぎてもなお暑い日が続いているこの時期に、相手に涼やかな気持ちを伝えるのにぴったりの挨拶です。
暑中見舞いの文章に関して
毎年夏の訪れと共に交わされる暑中見舞いは、受け取る人が気持ちよく読めるように心を込めて書きたいものですね。
ここでは暑中見舞いの書き方を順を追ってご紹介します。
まず、暑中見舞いはがきはこんな構成になります。
- 挨拶文
- 時候の挨拶
- 近況報告
- 相手の健康を配慮したメッセージ
- 日付
それではそれぞれを見ていきましょう。
挨拶文
はがきの最初には、少し大きな字で挨拶を記します。
ここでは句読点を付けずに、次のように書くのが一般的です。
– 「暑中お伺い申し上げます」
時候の挨拶
梅雨が開け、立秋に至るまでの間に適した挨拶をします。
暑さが厳しい時期ということを踏まえ、以下のような言葉を用います。
– 「猛暑の毎日ですが、いかがお過ごしでしょうか」
– 「日々暑さが増していますが、いかがお過ごしでしょうか」
自己の近況報告
自身や家族の近況について簡潔に述べます。
具体性を持たせることで、受け取る方にも楽しんで読んでもらえるでしょう。
– 「おかげさまで私どもは変わらず日々を送れています」
相手の健康を気遣う言葉
最も熱い季節に相手を思いやる心温まるメッセージを含めましょう。
– 「暑さが厳しくなりますが、お身体に気をつけてください」
– 「続く暑さに負けず、お元気でお過ごしください」
日付け
具体的な日付を記載するのではなく、「○年盛夏」という形で時期を表すのが通例です。「盛夏」は夏の最も暑い時期を意味します。
あとがき
夏場の暑さが厳しい時期に、人々は互いの体調や健やかさを気遣い合うための挨拶として、暑中見舞いの手紙を送り合います。
この風習は、相手への気配りと心遣いが伝わる素晴らしいものであり、受け取った際にはその思いやりが心に染み渡るからこそ、喜ばしい気持ちになるものです。
現代では、洗練されたデザインや鮮やかなプリント技術により、見た目にも美しい暑中見舞いが作成されていますが、その反面、どこか機械的で個性に欠ける印象を受けることがあります。
もし印刷にて暑中見舞いを作成する場合には、一筆手書きのメッセージを添えることで、より心温まる、丁寧な仕上がりになることでしょう。
そうすれば、受け取る人にとっても、より一層の喜びを感じていただけるはずです。