年中行事として親しまれているお墓参りには、さまざまな機会がありますよね。
お盆に実家へ帰り、ご先祖様のお墓参りをするのは日本の伝統的な風習です。
また、続く9月には秋分の日を中心としたお彼岸の期間もあり、この時期にもお墓参りをします。
お盆とお彼岸だけでも年間3回、お正月やご先祖様の命日を加えると、その頻度はさらに増えますね。
そんな中、ふと
「お彼岸とお盆の違いってなんだろう？」
と思う時があります。
この二つの行事は似ているようで、実は意味合いや起源に違いがあるのです。
また、
「お墓参りはいつ行くのが適切なのか？」
という疑問に対しても、実はしっかりとした答えがあるんです。
そこで、私たちが年間を通じて繰り返しているお墓参りの習慣、そしてお彼岸とお盆の意味や背景、適切なお墓参りのタイミングについて調査してみました。
お彼岸とお盆の違いとは？
お彼岸とお盆は共にご先祖様への供養の時期として知られていますが、その違いについて考えたことはありますか？
それぞれの期間の意味や起源について、詳しく見ていきましょう。
お彼岸の意味と由来について
春分・秋分の日とお彼岸の関係
彼岸が春分の日や秋分の日に重視されるのは、極楽浄土が西方にあるとの信仰から来ています。
春分と秋分の日に太陽が真西に沈む様子を極楽浄土への想いと結びつけ、故人の霊を供養する慣わしが生まれました。
春と秋に訪れるお彼岸
- 春のお彼岸は春分の日を中心に前後3日ずつの合計7日間
- 秋のお彼岸は秋分の日を中心に前後3日ずつの合計7日間
お彼岸の期間中の中日は祖先に感謝する日、残りの6日間は各々六波羅蜜を修めるお修行の日とされています。
現代では、自身の存在を祖先に感謝し、墓参りを行う形でその意味を重んじています。
では、お盆との関係性は？
お盆もお彼岸と同じく、死者の霊を慰め、先祖の供養を行う期間として重要視されていることに変わりありません。
お盆とは何か？
一般に「お盆」という言葉は、「盂蘭盆会（うらぼんえ）」という仏教の用語からきており、一般的には単に「盆」と称されることが多いです。
お盆とは、亡くなった先祖が苦しみを抱えずに平穏を得るため、死者の魂を敬い祀る期間や儀式を指します。
もともとは旧暦に基づいて、7月13日から始まり7月16日までの4日間にわたって行われていました。
しかし、現在では新暦に合わせて、特に8月15日を中心にお盆を実施する地域が多くなっています。
お盆の時期には、先祖の魂たちがこの世に帰ってくると考えられています。
そのため、盆入りとされる13日の夕方には、先祖の魂が迷わずに家へ辿り着けるように迎え火を燃やします。そして家族は先祖の魂を慰め、供養するのです。
お盆が終わりに近づく16日には、送り火で魂をあの世へと送り出すという風習があります。
お盆とお彼岸の異なる意義
日本における供養の行事として知られるお彼岸とお盆ですが、その違いは具体的にどのようなものなのでしょうか。
こちらから出向いてお墓にてご先祖様に感謝して供養を行います
ご先祖様の霊をお墓に迎えに行き、家に招いて供養を行ってまた送り返します
お盆の特徴
お盆は、祖霊を自宅に迎え、供養を行なった後、精神的に家族と共に過ごす期間を終えて、再び送り返すという行事です。
お盆にお墓参りをするのは、実際には祖霊を迎える目的があり、それに際して先祖の墓の清掃をします。
続いて自宅に戻り、仏壇で迎えの供養を行ったのち、最終的には盆が明けると祖霊を送り出します。
この習慣は、地方や家庭ごとに独自の風習があるので、一概には言えませんが、大筋ではこのような流れになっています。
お墓参りに適したタイミングは？
お墓参りの適切な時期は特に設けられていません。
人により、遠方に住むことで頻繁にお墓参りを行えない方もいれば、歩いてすぐ行ける場所にお墓がある方もいます。
お墓参りの回数に一律のルールはなく、お彼岸やお盆など、感謝の気持ちを持って行ける時に足を運ぶことが大切です。
もし距離や仕事等で訪れるのが難しい場合、自宅のお仏壇に線香を捧げ、手を合わせるだけでも問題ありません。
あとがき
お彼岸とお盆はともにお墓参りが行われる時期ではありますが、それぞれに独特の意味合いがあることが理解できます。
お墓参りに特定の日が定められているわけではないため、故人を想う気持ちを常に持ち、恒例として毎年訪れることが大切です。
日々を過ごす中で、故人への追悼と先祖への尊敬の念を胸に刻み、その思いを忘れないようにしましょう。
