日本には様々な長寿のお祝いがありますが、「傘寿」という言葉を耳にしたことはありますか?
傘寿とは一体何を指し、どのような意味合いがあるのか、さらにはそのお祝いが行われる年齢について詳しく解説します。
また、祝いの席で着用する衣装「ちゃんちゃんこ」の色には特別な意味があるとされていますが、傘寿の際にはどの色のものを選ぶべきなのでしょう?
これについてもご説明していきます。
さらに、中には「傘寿のお祝いは控えた方が良い」という説も存在します。
これがただの迷信なのか、それとも何か根拠があるのか、その真相に迫ります。
傘寿とは?
傘寿は、特定の節目を迎えた際の長寿を祝う行事の一つですが、それにはいったいどのような意味が込められているのでしょうか。
傘寿の正しい読み方について
傘寿という言葉は、日本の長寿のお祝いの中で用いられる言葉の一つであり
「さんじゅ」
と発音します。
傘寿とは何歳を祝う節目なのでしょうか?
傘寿は人の一生の節目としてお祝いされる行事であり、数えで80歳(満79歳)に当たる年齢を指します。
ここで言及される数え年とは、お生まれになった年を初めての年と数え、毎年の新年を迎える度に一歳を加算していく計算方法を意味しています。
傘寿の謂れは?
傘寿とは、人の一生の節目である80歳の長寿を祝う言葉です。
「八十」という漢数字を縦書きにすると傘を連想させる「仐」という略字に似ていることから傘寿と称されるようになりました。
もう一つの理由は、傘を開くことが「末広がり」を示し縁起が良いとされているためです。
還暦や古希などの他の長寿のお祝いが中国の風習を起源としているのに対し、傘寿は固有の日本の文化として受け継がれています。
この風習が日本で広く認知されるようになったのは、室町時代後期からとされています。
傘寿にちなむちゃんちゃんこの色はどれ?
さて、傘寿をお祝いする際に欠かせないちゃんちゃんこの色ですが、具体的にどの色をイメージするでしょう?
傘寿には、一般的に「金茶色」や「黄色」が定番の色とされており、傘寿を迎える方への贈り物もこれらの色が用いられることが多いです。
ちゃんちゃんこも例外ではなく、「金茶色」や「黄色」が選ばれがちですが、他の長寿のお祝いである古希や喜寿でよく見る「紫色」を選択しても問題ないとされています。
黄色は紫と並んで昔から高級感ある色として扱われてきましたので、お祝いされる方の好みを反映させた色選びも良いでしょう。
また、興味深いことに、88歳で迎える米寿のちゃんちゃんこの色も傘寿と同じく「金茶色」「黄色」が主流です。
これは、傘寿の際に用いたちゃんちゃんこを米寿でも活用する、という願いが込められているからでしょう。
それ故、古希や喜寿の紫色とは異なり、黄色の新たなちゃんちゃんこを用意するのも喜ばれます。
傘寿のお祝いについての迷信とは?
一部には「傘寿はお祝いを避けた方が良い」という迷信が囁かれています。
このような話が出るのは傘寿だけでなく、あらゆる長寿の祝賀を行うとその後長く生きられないという不吉な迷信があるためです。
しかし、実際にはこれは迷信に過ぎません。長寿をお祝いしたことで命が縮むなどという直接的な証拠は存在しません。
それでもこのような話を信じる方々もいるため、お祝いをする場合は、家族内でしっかりと話し合うことが大切です。
特に大事なのは、お祝いをする対象となる人本人がどう感じているかです。
人によっては自分のことを大々的にお祝いされることが苦手で、内心は祝賀会を避けたいと考えている場合もあります。
そのため、お祝いの計画を立てる際には、本人の希望はもちろんのこと、家族や周囲の意見もきちんと聞いた上で、どういったお祝いが適切か、もしくはお祝い自体を行うべきかどうかを慎重に決定することが求められます。
まとめ
長寿を祝う「傘寿」は80歳の節目を迎える方へのお祝いです。
家族が久々に集まり、絆を深める絶好の機会とも言えます。
この記念すべき日には、共に食卓を囲んだり、心のこもった贈り物を交換したりするのが一般的です。
何よりも、傘寿を迎えられる方に喜んでもらえることが最も重要でしょう。
お祝いの日が、本人にとって忘れられない幸せな時間となることを願います。