卒寿とは特定の歳の長寿をお祝いする節目を指しますが、一体何歳の時を指すのでしょう？
このお祝いの背景にある意味や起源にも興味が湧いてきます。
長寿で知られる還暦の場合、目印としてよく赤いちゃんちゃんこを用いますが、卒寿にはどのような色が象徴とされるのでしょう？
ここでは卒寿の際のテーマカラーと祝い方について解説していきます。
卒寿とは？
長寿祝いには色々な節目がありますが、特に卒寿は何歳の際に祝われるのでしょうか？
それに加えて、卒寿の意味や背景にある由来についても解説します。
卒寿とは具体的には何歳のことをいうのでしょうか
卒寿とは、9０歳の節目を指す言葉です。
本来は、数え年で９０歳を祝う意味合いがありました。
しかし現在では、満年齢で９０歳の祝いを行う人々も多くなっています。
数え年でも満年齢でも、どちらの年齢でも祝うことに特に問題はありません。
「数え年」という言葉に馴染みがない方もいらっしゃるでしょう。
さらに日本には、特別な年齢にちなんだお祝いの風習がいくつか存在します。
以下にいくつかの代表的なものを紹介します。
- ６０歳（数えで６１歳）：還暦
- ７０歳：古希
- ７７歳：喜寿
- ８０歳：傘寿
- ８８歳：米寿
- ９０歳：卒寿
- ９９歳：白寿
- １００歳：百寿
卒寿の意味と由来
これは、90歳のお祝いに使われる言葉です。
60歳で迎える「還暦」や70歳の「古希」と同様に、卒寿もまた特別な長寿の祝いです。
卒寿の名前の由来となるのは、「卒」の略字である「卆」の文字。
これを分解すると、「九」と「十」にわけることができ、この二つの数字が組み合わさって90歳を表しているのです。
そういったわけで、この年齢を祝う際に「卒寿」と称されるようになりました。
ちなみに、還暦は自分が生まれた干支が一周する年を意味し、古希は杜甫の「人生七十古来稀なり」という詩に由来しています。
これらは、共に中国から伝わっています。
実は、80歳の「傘寿」を始めとするこれより後の長寿祝いは日本独自のものとされています。
卒寿の祝いカラーとは？
さて、卒寿のお祝いにふさわしいカラーとは何色なのでしょうか。
実は、各長寿の節目には特定の色が割り振られています。
たとえば、赤は還暦のシンボルであり、みなさんもおなじみの赤いちゃんちゃんこが象徴的ですね。
気になる卒寿の色ですが、これは「紫」もしくは「白」とされています。
古来より、紫は「高貴な色」として尊敬され、一方で白は「純粋さ」や「神聖さ」を象徴してきました。
そんな紫と白ですが、なぜ卒寿に相応しいのでしょうか。
長い人生を送り、90歳の大台に到達された方を讃えるために、高貴な紫が選ばれるのです。
さらに、99歳の節目である白寿と同じく、「長寿の象徴」としての白色も選ばれる理由となっています。
卒寿のお祝いの典型的なマナーとは？
お祝いのマナーに硬直した規則は存在しませんが、卒寿をお祝いする際には、祝賀の席を設けてご馳走で食事を楽しんだり、心を込めたプレゼントを贈ることが一般的です。
九十歳のお祝い適切な時期
お祝いのタイミングとしては、寿命を全うした証の90歳の誕生日、敬愛される老人の日である敬老の日、家族が時間を共有しやすいゴールデンウィーク、または親しい人々が集まる伝統的なお正月やお盆が適しています。
特に、90歳のお祝いは高齢であることを考慮し、祝われる方の健康状態を優先に考えましょう。
家族や親類が話し合い、本人が元気で、集合しやすい日程を選定することが望ましいです。
お祝いの場所選びのポイント
お祝いの機会には、参加者が集まって食事を共にするお店の選択が重要です。
ホテルやレストラン、さらには趣のある料亭などがおすすめだと言えます。
一方で、家で手料理を振る舞ったり、外からデリバリーを取り寄せて楽しむケースもあります。
お祝い対象者の体調を考慮して、長距離の移動が必要な場所は避け、自宅やその周辺の施設で祝賀会を行うのが最適ではないでしょうか。
祝い事に最適なプレゼント選び
お祝いの品は、対象者が最も喜ぶ物を選ぶことが望ましいですが、答えがなかなか出てこない場合もあります。
その際は、テーマカラーにちなんだものや日用品、趣味に関連したものが無難です。
茶愛好者であれば湯飲み、食卓用の箸、膝掛けなどが喜ばれますし、家族の写真が映えるデジタルフォトフレームも喜ばれる定番です。
長寿のお祝いには不向きなアイテム
- 靴や靴下 – 踏みつける意味が込められているため高齢者への贈り物としては不適切です。
- 櫛 – 苦しさや死を連想させがちなので、お祝いの際には避けるべきです。
- お茶 – 香典返しに使われることから、不吉な印象を与えかねません。
- 老眼鏡 – 実用的ではありますが、年齢を意識させてしまい、相手を傷つける可能性があります。
- ベルト – 縛るという意味合いから、リラックスを促すべき長寿のお祝いにはふさわしくないとされています。
- 筆記具 – 勤勉を促す象徴であり、退職後のゆったりとした時を過ごす高齢者には向かないでしょう。
あとがき
この度は卒寿の意呲やその起源、さらに相応しい色と祝い方についてご説明させていただきました。
いわゆる「人生１００年時代」と呼ばれる昨今でも、９０歳の到達は見事な長寿の証です。
お集まりくださった皆様と共に、お祝いする本人の健康状態を慮りつつ、温かな祝福の時間を過ごすことをおすすめします。
心からの祝福を受けることによって、卒寿を迎えられる方も、周りの方々の笑顔を見ながら、幸せなひと時を過ごせることでしょう。
