還暦を祝う際、熨斗をどうするか悩ましい問題です。
人生に一度の大切な節目である還暦では、どのような水引を選べば適切なのでしょうか?
結びきりが良いのか、あるいは蝶結びが相応しいのか。
さらに、表書きには何と記入するのが正解なのかも気になるところです。
また、祝儀の表現方法として内のしと外のしのどちらを用いるべきかも迷うところです。
そんな疑問を解消するために、還暦祝いにふさわしい熨斗の選び方や表書きの例、内のしと外のしの使い分けについて解説していきます。
還暦祝いの熨斗におすすめの水引結び
還暦とは、数え年で61歳、満年齢で60歳の節目を祝う行事です。
一生に一度の大切なお祝いのため、「結び切り」という一度結んだら解けない方法が採用されることが多いです。
結婚式など、一回きりのイベントに用いられる結び方ですが、還暦の場合は少し異なります。
人の長寿を祝う行事は繰り返しても問題なく、むしろ続く長い人生を願って何度でも祝福されるべきです。
したがって、出産や合格祝いに見られるように、ほどけて再び結べる「蝶結び(花結び)」が還暦祝いにも使われることがあります。
水引の色彩としては金銀や紅白が一般的ですが、還暦の象徴色は「赤」です。
そのため、紅白の水引を選ぶと還暦祝いの意味を色で表すことができ、ふさわしいでしょう。
蝶結び(花結び)の例
還暦のお祝いに適した熨斗の表書きとは?
人生の節目とされる還暦祝いを迎えた際の熨斗の表書きには、どのように記載すべきでしょうか?
表書きに使用する言葉選びには様々な種類があり、次のような例が挙げられます。
- 還暦御祝
- 祝還暦
- 御還暦御祝
- 御祝
- 寿
- 賀寿
- 敬寿
- 寿福
- 感謝
- 賀華甲(かこうをがす)
ここで、「賀華甲」とは、文字通りには六十一歳を指し、還暦を迎えた新たな始まりを意味する表現です。
「華」の字が六つの十を含み、甲は最も初めを示すことからきています。
一般的には「還暦」を明示する「還暦御祝」や「祝還暦」が好まれます。
他にも、多くの長寿祝いに使える「賀寿」や「敬寿」「寿福」があります。
「感謝」は家族からの内祝いにふさわしい言葉として選ばれることも。
さらに、格式を抜きにしても、「ありがとう」や「いつも笑顔で」といった心のこもった表書きも素敵ですね。
還暦のお祝い、熨斗紙は内側?それとも外側?
還暦のお祝いに際して熨斗紙をどのようにするか、内のしにすべきか外のしにすべきか、悩むことがあるかもしれません。
一般的に還暦祝いの場合、祝いの理由が一目で伝わるように包装紙の上に熨斗紙をかける外のしが適しています。
外のしの場合、祝いを贈る相手やその内容が明確に伝わりますので、直接手渡しする場合に好まれます。
対して、内のしは慎ましさを重んじる内祝いなどに用いられたり、品物の発送等で熨斗紙が傷まないように包装紙の内側にする場合もあります。
もしも還暦祝いの品物を渡すまである程度の期間がある場合、品物を長持ちさせるために充分に保護するという意味で内のしを選択することも一つの方法です。
そうすると、保管中に熨斗紙が汚れたり破れたりするリスクを避けられます。
まとめ
還暦を迎え、長年にわたりお世話になった方々に心から感謝の意を示したいと考えるものです。
人生の大きな節目であるこの時期を、思い出深いものにするためにもお祝いを企画するのがふさわしいでしょう。
まだまだ自分では若さと活力を感じていることでしょうから、決して年を取ったと感じさせるようなことは避けたいところです。
ぜひ、これからも変わらずに若々しく、活力に満ちた毎日を過ごしていただけるように、盛り上がることができればと思います。