転職や進学などで親しい人が新しい道を歩み始める際、感謝の意を込めて贈る餞別。
適切なマナーで渡したいけれど、お札の向きや新旧、封筒の扱いなど、細かなルールに頭を悩ませることもあるでしょう。
大切な人への敬意を示すため、餞別を渡す際の正しいお金の入れ方をお伝えします。
餞別のお札の入れ方について
餞別を包む際には、お札の向きにも気をつけなければなりません。
では、餞別に使うお札は表面がどちらを向いているべきか、裏面はどうなのか、さらにお札の上下の向きはどうすれば良いのか、具体的なポイントを押さえましょう。
祝儀袋の利用
餞別を渡す際に使用するのは、ご祝儀を入れる際と同様の祝儀袋です。
この場合、水引きは赤白の蝶結びが一般的です。
そのため、お札の入れ方も祝儀を包む際のマナーに沿った方法で行うのが適切です。
お札の向きは祝儀袋に入れる際の手順に倣ってください。
お札の表と裏はどっち?
国の通貨である紙幣、いわゆるお札には表と裏が存在します。
「表」とは、歴史上の重要人物の肖像が描かれている側のことを指します。
反対に、その人物の姿がない面が「裏」と呼ばれるのです。
- 表 歴史上の人物の肖像が描かれている
- 裏 人物の肖像が描かれていない
上下はどっち?
ここでの「上」とは、顔が描かれている側のことを指します。
一方、「下」とは、金額が漢数字で記されている面を指すのが一般的です。
- 顔がある方が上
- 漢数字で金額が記されている方が下
中袋へのお札の入れ方
お札を中袋に収める際は、以下の点に注意しましょう。
中袋の表側からお札の正面が確認できるように配置します。
特に、お札を縦に入れる場合は、人物の顔が上部にくるように注意してください。
このようにお札を入れると、中袋を開いた際、最初に人物の顔部分が見えてくることになります。
餞別は新札が必要なのか?
餞別を贈る際、新札を用いるべきかどうかはよく疑問に思われる点です。
法的に新札でなければならないことはありませんが、餞別の趣旨を鑑みると、新札を選ぶのが適しています。
餞別、すなわちお別れの際に感謝の意を示し、新しいスタートを祝福し安全を祈る金銭の贈り物ですので、新札はその意図を色濃く表すことができます。
旅立ちの時を迎える人にとっては、きれいなお札を受け取ることは心象が良いものです。
新札が用意できない場合でも、できる限り状態の良いお札を選ぶと良いでしょう。
もちろん、破れていたり汚れていたりするお札を選ぶことは、相手に失礼に当たりますので、避けるべきです。
餞別の正しい金額の入れ方と封筒の閉じ方
餞別の際、金額を入れる封筒の閉じ方には注意が必要です。
餞別の場合、水引は赤白を選びましょう。
これは一般的なご祝儀袋と同様ですから、同じ方法で封を閉じて問題ありません。
ただし、閉じ方を誤ると不祝儀と同じ扱いになるので注意が必要です。
正しくは、まず封筒の上部を折りたたんで閉じて、その後に下部を閉じる手順を踏んでください。
あとがき
ここでは餞別の金額の封じ方についてお話ししました。
「御餞別」という書き方は標準的ですが、状況に応じて「御祝」や「御礼」と書くこともあります。
お札を包む際には、結婚式などで使う赤白の蝶結びの水引を使うのが一般的です。
封筒を閉じる方法も、ご祝儀を贈る際と同じ方法です。
受け取る側は、封筒の入れ方や閉じ方にそれほど敏感ではないこともあるでしょう。
しかし、不幸事に使うような閉じ方では、感じが良くありません。
そうならないよう、配慮が必要です。