年越し蕎麦は食べている方、食べていない方と様々ですが、年末の風物詩として定着していますよね。
うどんやラーメンなど、他にも麺類がたくさんある中で、なぜ蕎麦なのでしょうか。
ここでは、以下の疑問について考えてみたいと思います。
- 年越しそばはなぜ食べるのか?
- 年越しそばは温かいものと冷たいもの、どちらを選ぶべきか?
- 年越しそばはいつ食べるのが良いのか?
それでは、年越しそばについて詳しくご紹介します。
年越しそばはなぜ食べる?
年越しそばを食べる理由について、疑問に思ったことはありませんか?
日本では古くから全国的に年越しそばを食べる風習がありますが、なぜ蕎麦で、なぜ大晦日なのかは気になりますよね。
ここでは、その由来について見ていきましょう。
蕎麦を食べる理由は?
年越しに蕎麦を食べるのは、縁起担ぎの意味が込められています。
その背景にはいくつかの説があり、それぞれに深い理由があります。
- 長寿を願う説
蕎麦の細く長い形状から、長寿や延命を願ったため。
- 災厄を断ち切る説
蕎麦の麺が切れやすいことから、一年の災厄を断ち切り、新たな年に持ち越さないようにと願ったため。
- お金を集める説
金銀細工師が金粉を集める際にそば粉を練った団子を使っていたことから、蕎麦を食べることで金運が上がると信じられたため。
- 健康を願う説
蕎麦が風雨に強く、晴れると元気に育つことから、健康を願ったため。
- 世直しそばに由来する説
鎌倉時代、博多の承天寺で「世直しそば」として貧しい町人に蕎麦餅を振る舞い、その後運が開けたという伝承に基づくもの。
大晦日に食べる理由は?
なぜ大晦日に蕎麦を食べるのか、その理由も気になりますよね。
江戸時代中期には、商家で月の終わりに「三十日蕎麦(みそかそば)」を食べる習慣がありました。
これが次第に大晦日限定となり、「年越しそば」という形で定着したとされています。
また、年を越してから蕎麦を食べることは縁起がよくないとされており、災厄を断ち切る意味を込めて新年を迎える前に食べるようになったと言われています。
さらに、一部の地域ではうどんを食べる風習も見られます。
たとえば、讃岐や水沢、稲庭といった名産地では、「太く長く生きられるように」との願いを込めて年越しにうどんを食べる習慣があるそうです。
年越しそば 温かい冷たいどちらを食べる?
年越しそばは、温かい蕎麦と冷たい蕎麦のどちらが正しいのか迷うことはありませんか。
実は、地域の名産や食べる人の好みによって異なり、どちらを選んでも問題ありません。
温かいそばを好む理由は
- 寒い冬に体が温まるから
- 出汁の香りを楽しめるから
- 天ぷらを添えて食べたいから
- 冷たい蕎麦は乾きやすいから
冷たいそばを好む理由は
一方で冷たいそばを選ぶ方の理由もあります。
- 蕎麦本来の香りや味を楽しみたいから
- のど越しが良いから
- わさびを効かせたつゆで味わいたいから
- お酒の後にサッパリ食べたいから
- 温かいそばは伸びやすいから
このように、それぞれの好みによって選ばれています。
年越しそばはいつ食べるのが正しい?
年越しそばを食べるタイミングについて、決まったルールはありません。
多くの人は23時過ぎから24時頃に年越しを迎える前に食べたり、家族と一緒に夕食の時間に食べたりします。
また、大晦日もお仕事がある方は昼食時に食べることもあります。
除夜の鐘を聞きながら食べたいという方もいますが、伝承では年を越してから食べるのは縁起が良くないとされています。
新しい年を迎える前に、一年の災厄を断ち切る意味を込めて食べるのが良いとされています。
地域によっては独自の風習もあります。
- 新潟県の小千谷地域では1月14日(小正月の前日)に「十四日そば」を食べる風習があります。
- 福島県の会津地方では「元日そば、二日もち、三日とろろ」という言葉があり、元日に蕎麦を食べる習慣があります。
あとがき
年越しそばは縁起を担いで食べるものですが、温かい蕎麦でも冷たい蕎麦でも、どちらを選んでも構いません。
食べるタイミングにも決まりはなく、各家庭の都合や地域の文化に合わせて楽しむのが一番です。
夕食時や年越しを迎える少し前に、家族や友人とともにいただくのが良いですね。
ちなみに、私は蕎麦が苦手なためラーメンをいただいています。