年賀状を目上の方にお送りする際は、筆致にも心掛けを要します。
友人へ送る際のような気軽な表現ではなく、会社の上司や先輩など、敬意を表すべき相手へは配慮深い言葉選びが求められます。
ここでは、年賀状を目上の方に送る時のマナーや、参考となる一言添える例文をご紹介いたします。
年賀状を目上の方に送る時の書き方のマナー
まず、年賀状を送る際の書き方のマナーについてご説明致します。
賀詞のマナー
多様な表現が存在しますが、目上の方へ送る際には、ふさわしい賀詞を選ぶことが重要です。
目上の人にふさわしい賀詞
- 謹賀新年
- 恭賀新年
- 謹賀新春
- 恭賀新春
- 敬頌新禧
- 謹んで~など、敬意を表す言葉
四文字熟語や「謹んで」から始まる賀詞は、誠意を示す表現であり、目下の者から目上の方へ送るに適しています。
目上の人に不適切な賀詞
- 迎春
- 賀正
- 初春
- 賀春
- 頌春
- 寿春
- 寿、福、賀、春、禧、吉などの一文字
二文字や一文字で構成される賀詞は、簡単な祝意を示す表現であり、目上の人に対しては敬意が不足しているとされます。
通常、これらの賀詞は目上の者から目下の者へ使用されることが多いです。
目上の方にこれらの言葉を用いる場合は、不敬と受け取られることがあるため注意が必要です。
手書きで一言添える
近年、年賀状は印刷によって美しく仕上げる方が多いと思われます。
しかし、そのまま投函すると、全て同じ文面を送ることになり、受け取った方にとっての特別感が失われがちです。
確かに、美しい文字やイラストが施されているものの、それがただのお店のダイレクトメールのように見えてしまうこともあります。
送り先が上司や尊敬する人である場合、手を抜いたと誤解されることもあるかもしれません。
そこで、挨拶文の終わりに余白を残し、その部分に手書きで一言添えることをお勧めします。
これにより、送り先に応じた適切な言葉を添えることができ、長文でなくとも心のこもったメッセージを伝えることが可能です。
忌み言葉は使わない
忌み言葉とは、その場にふさわしくない、または縁起の悪い言葉を指します。
特に年賀状においては「去年」という言葉は避けるべきです。
- 去年 ⇒ 昨年または旧年
このように言葉を変えて表現することが一般的です。
句読点は使用しない
年始の挨拶において「区切りを設けない」という意味合いや、筆書きの時代からの習わしとも言われています。
読点の位置でスペースを空け、句点の部分では改行すると良いでしょう。
元旦に届くように投函する
どんなに綺麗に丁寧に書けた年賀状でも、到着が遅れてしまっては意味がありません。
遅れてしまうと、考え方によっては後回しにされたと思われる恐れもあります。
12月は誰もが忙しい時期ですが、その忙しさを理由にするのは適切ではありません。
年賀はがきの発売は例年11月から始まりますので、計画的に準備し、元旦に間に合うように調整しましょう。
年賀状の一言添え書き
年賀状における一言添え書きは、目上の方への敬意と感謝の気持ちを表現する大切な部分です。
定型文の例
旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。
本年も引き続き、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
上記の定型文に加え、一言で感謝の気持ちや願いを手書きで添えることが一般的です。
感謝の一言
今年も貴重なご意見やアドバイスを賜れますと幸いです。
健康を願う一言
ご指導のお願い
いつもお力添えいただき、大変感謝しております。
ご無沙汰している場合の一言
本年は機会を見つけ、是非お目にかかれればと存じます。
このような一言添え書きは、年始の挨拶状として非常に重要です。
昨年の感謝を述べ、今年一年の良きスタートを切るために役立ててください。
感謝の一言
ご指導をお願いする一言
相手の健康を願う一言
ご無沙汰している場合の一言
あとがき
目上の方に送る年賀状の一言添え書きについてご紹介しました。
印刷文だけの年賀状はどこか冷たい印象を受けますので、相手に合わせて手書きで一言あると、貰った側としても喜ばれることでしょう。
年賀状を書く際には、その年の思い出や目上の方とのエピソードを振り返り、読む人がリアルに想像しやすい内容にすると良いですね。
一言添え書きには、具体的な決まりはありませんが、感謝の言葉やお礼から始めると、話を展開しやすくなります。
この一言が受け取る方にしっかりと伝わり、良好な関係が続くことを願います。