アヤメとショウブとカキツバタの違い
「アヤメ」と「カキツバタ」は、どちらもアヤメ科アヤメ属に分類される外見がよく似た植物です。
「ショウブ」はサトイモ科に属し、アヤメやカキツバタとは異なるがアヤメと同じ「菖蒲」と表記されます。
アヤメとショウブとカキツバタとは?
アヤメとカキツバタは、どちらもアヤメ科アヤメ属に分類され、「いずれ菖蒲か杜若」と言われるほど外見が似ています。
一方、ショウブはサトイモ科に属し、アヤメとは異なりますが、「菖蒲」という同じ漢字を使います。
かつては「アヤメ」が漢字の「菖蒲」を指すこともありました。
同じアヤメ科アヤメ属の中には「ハナショウブ」も含まれ、これもアヤメやカキツバタと似た外観を持っています。
以前は、菖蒲湯に使う方を「ショウブ(菖蒲)」、葉は似ているが使わずに色とりどりの花を愛でるだけの方を「ハナショウブ(花菖蒲)」と呼んで区別していました。
しかし、最近ではあまり区別されなくなっています。
アヤメ、カキツバタ、ハナショウブの識別ポイント
アヤメ
4月末頃から5月半ば頃にかけて花が開き、花弁の根元からある網目状の模様が特徴です。
葉は狭く、目立たない葉脈が特徴です。
アヤメは陸地に植えられています。
カキツバタ
湿地で見られ、高さは50~70cmです。
アヤメと同じく、4月末頃から5月半ば頃に開花し、アヤメよりも濃い紫色の花を咲かせ、筆で描いたような白い線状の模様が花弁の基部にあります。
葉は広く、葉脈が目立ちます。
またカキツバタは水に浸かっている沼地に近い土地に育ちます。
ショウブ
一見しただけでは区別が難しいですが、サトイモ科のショウブは他の二つと比べて識別しやすい特徴があります。
ショウブは花びらの根元に網目模様がなく、黄色の斑がある花を5月末頃から6月末頃まで咲かせます。
端午の節句に用いられる「菖蒲湯」に使われるのは、このサトイモ科のショウブです。
なお、ショウブはアヤメとカキツバタの中間くらいの湿地に育ちます。