不明な番号からの通話に対する警戒心を持つ人は多くいますが、画面に「匿名」と表示されたときの対処法には困惑することもあるでしょう。
時には反射的に応答してしまうこともあるかもしれません。
特に匿名通話が表示された際の驚きや混乱は大きなものです。
本記事では、そうした匿名通話の発信元を調べる方法、136番の利用法、アプリを通じた方法、そして匿名通話を拒否する設定について解説します。
匿名通話に関して不安を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
匿名通話の発信元を突き止めることは可能か?
結論としては、匿名通話の番号を直接特定する方法は存在しません。
これは匿名通話機能そのものの原理に基づいています。
固定電話のナンバーディスプレイ機能が進化し、何らかの理由で相手に自分の番号を知らせたくない際に利用されるようになったのが匿名通話です。
発信者は「184」を付けて発信することで、自身の番号を非表示にでき、この機能は発信者のプライバシー保護を目的としています。
例えば、業者への問い合わせ後の営業電話を避けたい時などに利用されてきました。
このようなサービスでは、発信者から中継局に向けて情報が暗号化され、受信者側では発信者を特定できないようになっています。
そのため、原則として発信者情報は受信者に開示されません。
136番を用いて匿名通話の発信元を特定可能か?
136はナンバー通知サービスとして知られており、NTT東日本が提供するサービスです。
しかし、
「136を使えば匿名通話でも番号を知ることができるのでは?」
と考えても、これは不可能です。
サービスの説明には
「匿名や公衆電話、国際電話などでは番号を取得できない」
と明記されています。
残念ながら、136番を使用しても匿名通話の発信元を特定することはできません。
匿名番号を特定できるスマートフォンアプリは存在するか?
「匿名番号を解析できるアプリがある」
という情報が流布していますが、これは全くの誤情報です。
前述した通り、184での匿名通話サービスは発信者情報を暗号化し、ほぼ解読不可能にします。
もし解読が可能だとしたら、それはハッキングなどの違法行為に該当する可能性があり、不正アクセス禁止法などの法律違反となり得ます。
このような犯罪行為を宣伝しているアプリの開発者は法的な問題に巻き込まれる可能性があります。
また、こうしたアプリは情報に詳しくない人々のデータを集める目的や、悪意あるソフトウェアを拡散する目的で作られることがあります。
したがって、こうしたアプリのダウンロードは極めて危険であり、個人情報の漏洩リスクを伴いますので、十分に注意してください。
匿名通話(184)の特定は可能なのか?
184を利用した匿名通話が常に完全に匿名であるわけではないと言えます。
特に犯罪や緊急事態など特定の状況下では、法的な措置を通じて発信者情報が開示されることがあります。
迷惑電話が原因で精神的な苦痛を受けた場合や、実害が発生した場合、警察が通信事業者に情報開示を要求することもありますが、これは特別な状況下でのみ認められ、適切な法的手続きが必要です。
一般の人々や民間の探偵、弁護士が通信事業者から情報を得ることは困難で、個人レベルでの情報開示は期待できません。
なぜ非通知電話が存在するのか?
非通知電話が存在する理由は様々です。
必要に応じて応答するかどうかを決めることが大切で、特定の状況では応答が望ましいこともあります。
様々なケースを理解しておくと、どのように対応するべきか判断するのに役立ちます。
詐欺電話のパターン
詐欺師は自身の身元を隠すために匿名通話を利用することがあります。
オレオレ詐欺や還付金詐欺など多種多様な手口があり、さらにはリスト作成型の詐欺で無差別に電話をかけるケースもあります。
こうした詐欺行為に巻き込まれないためには、基本的に非通知の電話には応答しない姿勢を保つことが重要です。
ストーカーや嫌がらせの匿名通話
ストーカーや嫌がらせを目的とした匿名通話も問題です。
加害者は自分の身元を隠しながら、対象者の生活情報を探ったり、不安や恐怖を煽るために非通知設定を利用します。
夜中に無言電話をかけるなど、心理的な圧迫を目的とした行為は特に問題視されます。
ビジネスシーンにおける匿名通話
ビジネスシーンや就職活動中においても、情報保護の観点から非通知設定が用いられることがあります。
特に就職活動中は、重要な連絡を逃さないためにも非通知拒否設定を解除しておくことが推奨されます。
就職活動中の非通知通話への対応
就職活動中に非通知通話を受けた際の対応として、まず通話に出て相手の名前を確認し、返答を待つことが大切です。
その後、適切にお詫びとお礼を述べ、自己紹介を行います。
適切な対応をすることで、相手に誠実な印象を与えることができます。
現代は怪しい通話が増えていますが、適切な対応を心掛けることで、相手からの理解も得やすくなります。
匿名通話対応のためのガイド:対策と注意点
匿名通話に応じるべきか?
一般的には、匿名通話は無視することが推奨されていますが、状況によっては対応が必要な場合もあります。
普段使っている電話であり、特に就職活動など特別な事情がない限り、応答する必要はありません。
しかし、就職活動中のような状況では、応答が必要な場合もあります。
その際は、通常、相手が先に名乗るので、それまで自分から個人情報を明かさないようにしましょう。
匿名通話に応答してしまった後の対応は?
もし匿名通話にうっかり応答してしまっても、直ちに慌てる必要はありません。
応答したことで即座に何かトラブルが起きるわけではないので、万一怪しい電話が増えたら、電話番号を変更するなどの対策を検討しましょう。
安全を確保するためには、通信会社に相談して対応方法を確認すると良いでしょう。
スマートフォンでの匿名通話拒否設定方法
スマートフォンでは、事前に匿名通話を拒否する設定が可能です。
この設定を施すことで、匿名通話を拒否した場合に、相手に通知を送り、重要な連絡であれば通知ありで再度かけ直してもらえるようになります。
ドコモとauのユーザー向けに、それぞれの設定方法を紹介します。
ドコモユーザーのための匿名通話拒否設定
ドコモユーザーは「番号通知お願いサービス」を利用できます。
申し込み不要で、直ちに利用可能なこのサービスは、以下の手順で設定できます:
2. 自動音声ガイドに従って「1」を選択。
3. 通話終了ボタンで操作完了。
・設定を解除する場合は、再度「148」を押し、自動音声で「0」を選択
auユーザーのための匿名通話拒否設定
auユーザーは「番号通知リクエストサービス」を利用できます。
設定と解除は以下の通り簡単です。
・解除時には「1480」をダイヤル。
これらの操作も、ドコモと同様、書面申し込みや月額料金は不要ですが、通話料がかかる場合があります。
まとめ
匿名通話には必ずしも危険が伴うわけではありませんが、適切な対応が重要です。
非通知拒否設定を利用することや、必要に応じて電話番号を変更するなど、トラブルを避けるための対策を講じましょう。
この記事が、匿名通話への対応に役立つことを願います。